[888]予期せぬ出来事
プレーも終わり、お風呂でしぶとい日焼け止めクリームを落とそうと、石鹸をいっぱい泡立てて、顔を洗った。
こすると、顔の表面をつるつるよく滑る。
両手で上から下になでて、上へ戻そうとしたら勢いがつきすぎて、右の小指の爪が、ツルリと思い切り右の鼻の奥まで刺さってしまった。
「しまった」と、思うと同時に、赤い血がダ~ッと流れ落ちてきた。
とっさに鼻の付け根を左手で押さえて、右手で体中の石鹸分をシャワーで洗い落とす。
左手はティッシュで作った鼻栓から濡れてくる鼻血を、タオルでぬぐいながら、右手に持った乾いたタオルで体を拭く。
ようやく着替えを終わって、鏡で様子をみてみる。
鼻の両方の穴から、赤い血がふきだしている。
とりあえずティッシュを鼻につめる。
白地に赤い血がすぐに滲む。
流れる血の勢いが強く、なかなか止まらない。
右だけでなく、左にも血が流れてきて、そのうち口の中まで。
何度か鼻につめかえた紙も、中からじんわり血が滲んできている。
風呂から上がってきた友人もびっくりして、「救急車をよぶ?」
なかなかとまる気配がないので、受付の人に救急車を呼んでもらう。
鼻に栓をして、ソファーに横になり、救急車を待つ。
「10分くらいで来る」とのこと。
ビニール袋の中にティッシュとタオルを持参。
青い制服の救急隊員が三人きてくれた。
てきぱきと処置をする隊員達。
すぐストレッチャーに乗せられる。
搬送先は、今リハビリで通院している病院の耳鼻科へ打診の電話をして、OKとのこと。
ビニールを顔の下に広げて、鼻につめていた紙の栓をはずす。
たまっていた血の塊がずるっと落ちる。
口の中のも外へ出す。
血は止まっているようだといって、右手で鼻の付け根をつかみ、左手で頭を抑えて(やや上を向くように)、病院に着くまでおさえていてくれた。
同じ強さでずっと押さえていてくれたから、きつかっただろうと思う。
救急車はどの道を通っているのかわからなかったが、サイレンを鳴らしながら走って、交差点や交通量の多いところでマイクで道を譲るように呼びかけ、お礼ををいいながら通り抜けているのを聞くと、ありがたいと思う反面、申し訳なさでいっぱいになった。
私の不注意でみんなに迷惑をかけている。
友人が付き添いで乗ってくれたが、車酔いで気分が悪くなりかけ、前のシートに移動。
病院に着くとストレッチャーごと、ERへ通された。
ストレッチャーからベッドへ移動。
隊員さんとはここでお別れ。
ドクターやナースがたくさんベッドを取り囲む。
その後、耳鼻科の先生の診察をうけに、車椅子をナースに押してもらっていく。
モニターの画像を見ながら診察。
鼻の奥にざっくりと切れた傷が見えた。
苦い2種類の液体で鼻の中を治療。
口の中に落ちてくるので飲み込まないように必死。
傷ついていない粘膜をワイヤーのようなものでこする気配がする。
顔をしかめて苦痛を訴えると、「これぐらいはがまんしなさい」
「鼻血で救急車で来た人も珍しいね」とDrにんまり。
飲み薬、2種類でて、水曜日にもう一度来なさいとのこと。
ずっと付き添ってくれた友人夫妻が家まで送ってくれた。
いま鼻にはガーゼ2枚と綿栓が入っている。
鼻水が出てくるが、うっすらと赤い。
まだ完全には止まっていないのかな。
信じられないような一日の終わり。
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